戦略リーダーシップ(11):戦略創造と組織能力

企業は環境適応能力が求められ、それは戦略創造プロセスにある。そして、企業は同時に組織適応能力が求められ、これは戦略実行プロセスにある。
戦略リーダーシップは、戦略創造プロセスと戦略実行プロセスのにおいて統合的な適応関係を創り出すことである。これは、戦略と組織の適応関係性である。
この戦略と組織の関係性を企業経営において最初に指摘したのは、アルフレッド・チャンドラーである。チャンドラーは
1962年に「Strategy and Structure(戦略と組織)」を出版し、この中で「組織は戦略に従う」ことを指摘した。これは組織構造のあり方としてではあるが、その論点は企業の組織能力にあることを示している。
一方、H.I.アンゾフは1979年に「Strategic Management」を発表し、先のチャンドラー説に呼応するかのように、「戦略は組織に従う」として、戦略的に企業を経営するにはより統合的なアプローチが重要だと説いた。
さて、戦略リーダーシップのあり方において重要となってくるのは、アンゾフの指摘する「戦略は組織に従う」という視点である。