4-8, 戦略ビジョンの構築

戦略ビジョンでは、経営者の強い意思ないし意志、明確な戦略的意図、実現可能性、新たなSBAに向けた決断等が求められます。

ビジョンの構築は自社の自己変革の表明であり、企業理念を反映したものです。理念に時間軸は含まれませんが、ビジョンには一定時点の具体像 が描写されます。あるべき姿はポジショニングを通じてより明確にされます。例えば市場におけるポジションや競合との関係、あるいは独自性の発揮など、様々 なポジショニングが想定されます。

なぜポジショニングが重要なのでしょうか。それは位置づけに先立つ水準や意図によって、採るべき戦略が異なるからです。 併せて、戦略ビジョンは創発的なもので、環境との共感、共鳴が不可欠です。

有効な戦略ビジョンを構築する、トップは機会あるごとに、その真価を高める使命があります。ビジョンが連鎖反応すれば、組織は自己変革していくものです。組織は使命感と責任感に立脚し、戦略性、柔軟性、開放性、自己成長力を発揮し、主体性を通じ自走力を強化していきます。

戦略ビジョンの妥当性は、企業理念との整合に尽きるといっていいでしょう。ただし、日本企業では、理念が家訓や経営訓、精神と表現されるケースも多々あります。これらは往々にして、自己の存在価値や存在理由があいまいです。理念との違いはここに集約されます。理念とは企業活動の起点であり、同時に到達点でもあります。ゆえにビジョンと理念はつねにシンクロしていることが絶対条件です。

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