6-3, バリュー・ドライバーの展開によるアプローチ

前述のとおり、ストラテジック・パフォーマンス・マネジメント(SPeM)の流れを全体の体系およびプロセス展開として戦略ツリーに落とし込んでいきます。

その際、クリティカル・サクセス・ファクター(CSF)「重要成功要因」を押さえ、これを「バリュー・ドライバー」すなわち価値実現の中心 軸とします。加えて成果、戦略、行動の3つのプロセスの相関に着目します。企業価値の絶えざる追求は、持続的利益成長の実現を意味します。そのための成長 の推進力が重要成功要因であり、バリュードライバーでもあります。

図表6・2のとおり、キャッシュフローの継続性と最大化を目 的とした、企業価値創造の財務的要因を重要成功要因として設定します。財務的重要成功要因は、「ファイナンシャル・ドライバー(FD)」と見なされます。

戦略ツリーにおいて展開される全てのドライバーは重要成功要因を示しています。図表6・3にあるように、ファイナンシャル・ドライバーの次に展開されるのは、戦略的重要成功要因「ストラテジック・ドライバー(SD)」で す。これは財務的要因(経営指標)を実現に向け採るべき戦略であり、端的には戦略課題と表現できるものです。ストラテジック・ポスチャー・プラニングとの 関連で、基本戦略と実行戦略を総じたものと理解してもいいでしょう。この際、戦略ツリーに表現されてくる個々のストラテジック・ドライバーは実行戦略に相 当します。

次の段階でストラテジック・ドライバーに続くのが、業務的重要成功要因「オペレーショナル・ドライバー(OD)」です。

以上、全体のバリュー・ドライバー構成は、FD、SD、ODの3つのドラバーから構成されます。実行局面では、SDおよびODは活動要因とも位置づけられ ます。これは実行に移してはじめて、目的とした財務的要因(経営指標)が実現されるからです。SDとODは重要成功要因であり、活動指標の意味合いもあり ます。

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