戦略経営のダイナミズム

戦略経営実現の実践体系
環境と戦略と組織の適合、この三位一体こそがデシジョンの核心的アプローチとする『戦略経営の実現』です。 戦略経営の実践体系は、H・I・アンゾフ博士が提唱した戦略経営論に準拠した固有の概念をさらに実践体系を通じ確実に醸成されてきたものです。
巷には多くの戦略論がオーバーグロースしています。その中で経営戦略の表現が普及している関係から、戦略経営の概念は混乱しやすいかもしれません。戦略経営は戦略概念を中核にしつつも、周知のポーターの競争戦略や、ミンツバーグの創発戦略とも一線を画すものです。アンゾフの戦略経営の基本的視点は、戦略計画策定からさらに進め、その策定と実行の相互関係に着目した戦略体系を提唱しました。
戦略経営の全体構成は、A 環境[環境適応の対象]、B 戦略[環境適応の内容]、C 組織[環境適応の主体]の3つの連関性で構成されます。企業が環境に適応していくプロセスは、A⇒B⇒Cと連鎖します。これは環境認識に基づき対応する戦略を明らかにし、それを現有組織によって実行・実現していくことになります。しかし、一方において同時に、その反復的としてC⇒B⇒Aの連鎖のプロセスが見られます。このプロセスが示す問いかけは、一体、誰が環境対応する戦略を創造していくのかという問題です。これは環境適応の主体としての現有の組織能力に依存していく事になります。ここでの本質的な視点は、企業が環境に戦略的に対応し、絶えず企業価値と高めながら持続的に成長を実現するには、そのための適応戦略を自らが創造していかなければならないことです。その組織能力を絶えず装備していかなければなりません。
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アンゾフの戦略経営論を提起したのは久しくなりますが、これは時代を超えてなお、不変の真理のマネジメントにはあります。むしろ、今こそダイナミックに非連続的に変化する環境条件下でこそ、アンゾフが提唱してきた戦略経営を活かす時代といえます。これは今日、ダイナミック・ケパビリティ戦略が明らかにしようとする在り方そのものです。