6-2, ストラテジック・パフォーマンス・マネジッメントの展開

戦略的に成果を導き出す経営では、期待する成果から始まり、その実現に向け採るべき戦略、それに基づく行動、これらを三位一体で構築しなければなりませ ん。「期待する成果」とは、ストラテジック・ポスチャー・プラニングで明らかにした、戦略成果目標と連動します。この目標は財務的経営目標と置き直すこと も可能で、つまりは自社の経済的な企業価値の追求に他なりません。

企業価値の根幹をなすのが、「キャッシュフローの長期的な継続性とその最大化」です。このキャッシュフロー指標を企業の価値創造、財務的経営目標として、SPMの定量的経営目標と戦略成果目標を相互に結びつけ、全体フレームの体系と、一連の展開プロセスとして明らかにしていきます。

「実現に向け採るべき戦略」は、これを基本に、ストラテジック・ポスチャー・プラニングからの基本戦略、実行戦略を位置づけます。さらにSIMでの「戦略的重点課題」とも連動させます。

「戦略に基づく行動」は、一連のプロセスとして、戦略実行計画で検討された行動計画内容と結びつけられます。 新たな企業価値創造として、経済的な企業価値基準をキャッシュフロー基準を通じ財務的経営目標項目と関係づけます。この実現に向け採るべき戦略と戦略成果 目標をさらに関連づけ、実行すべき展開策と行動を明らかにしていくこと、これら3つの関係性を一連のプロセスで展開していく必要があります。

最後に、図表6・2のとおり、全体の体系とプロセス展開を「戦略ツリー」として作成します。 SPeMでは、これら一連のプロセスを「バリュー・ドライバーの 展開」として推し進めていきます。

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6-1, 戦略的に成果を導き出す経営の実現

環境適応には2つのアプローチがあります。一つは不確実性の高まりに対し、自社の立ち位置を明確に示すことです。もう一つは、刻々と変化する環境や予想外の影響に際し、リアルタイムに対応することです。

これらを駆使してはじめて、現在の顕在的な利益と将来の潜在的な利益を手中に収め、持続的成長が達せられます。採るべき戦略を見定め、期待成果である経営目標、特に財務的経営目標を達成していかなくてはなりません。

これが図表6・1にある、ストラテジック・パフォーマンス・マネジメント(SPeM)「戦略的に成果を導き出す経営の実現」です。ここでは成果以上に先行的に業績をリードしていく考え方が中心になります。業績や成果、目標に関しては達成過程、プロセスを管理することが求められます。

このプロセスでは2つの視点、先行的な管理と、結果に結びつく行動に焦点をおく必要があります。先行管理と行動管理ができてはじめて業績や成果が「管理されている状態」と見なされます。管理されている状態こそが戦略的マネジメントの実践状態と評価できます。

管理されている状態を実現するには、プロセスから採るべき行動を明らかし、それが的確に遂行されているかどうか、また、行動の選択が適切かどうかを判別していくことになります。 期待する「成果」、採るべき「戦略」、戦略に基づく「行動」を一致させて、プロセスの一貫性を確立すること、これが戦略的に成果を導き出す経営の基本です。

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5-3, 戦略的重点課題の経営の仕組みづくり

SIMは、社内外で発生する「不測の変化」を初期の段階で識別し、リアルタイムに対応するためのシステム的なアプローチです。

具体的には、主要な「戦略的重点課題リスト」を作成し、絶えず計画的に見直していきます。このサイクルを通して、「緊急な課題」を抑止するには、継続的な環境モニターニングが欠かせません。

トレンドへの迅速な対応を確保するには、組織として重点課題の経営体制を明確にし、「遅延なしに行動を起こす」ことが肝要です。必要とあれば組織の枠を飛 び越えて、即応できる体制を割り当てる必要もあります。プロジェクトの責任者は、対応策の検討に留まらず、課題解決までの一貫した権限を付与されるべきで す。そこまで準備してはじめて、いざというときの迅速性が発揮されるものです。

SIM「戦略的重点課題の経営」とは、計画のみならず、実行までを確実に担保する一連の経営活動であり、そのための戦略的なシステムなのです。

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