採るべき戦略水準

戦略経営の実践は自社を取り巻く環境診断からはじまることになります。もし環境水準が3以上であればすでに本格的な乱気流環境下にあると言えます。
最も重要なのは環境と戦略の適応関係です。乱気流水準の対応するためにどのような戦略を採るべきなのかが重要になってきます。
戦略経営は環境と戦略と組織のダイナミックな適合を創造していくことからして、その戦略は環境の水準と適合しなければなりません。

H.I.アンゾフは「乱気流のそれぞれの水準に関するイメージを喚起することを意図するための名前として」、乱気流の水準1の「同一事象の反復的な発生」には「安定的」、水準2「同一事象の拡大的な発生」は「反応的」、水準3 「異質事象の発生」は「先行的」、そして水準4 「異質事象の非連続的な発生」においては「探究的」、最も乱気流水準が高い水準5「不測事象の非連続的な発生」では「創造的」としてその名を表現をしています。

そして、それ以後はこれらの5つの言葉を「戦略的な推進力」として置きかえています。
この意味するところは、採るべき戦略の対応関係性を示していることで、それは乱気流環境水準と採るべき戦略の水準の適合関係を示し、環境と戦略の並列関係を表していることとして理解できます。
すなわち、これは「戦略水準」と言えます。

これら5つの言葉は「乱気流水準に適合する戦略水準」として、採るべき戦略を導き出して行くための戦略視点であり、また採るべき「成功戦略」の前提条件として、「戦略キーワーズ」として捉えていくことができます。

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